なぜ投資のプロが運用をしてもリターンの点でインデックスに勝てないのですか?

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質問

なぜ投資のプロが運用をしてもリターンの点でインデックスに勝てないのですか?


解答

非常に本質的な質問です。
これは投資の世界で長年議論されてきた重要なテーマで、結論から言えば:

「市場平均を継続的に上回るのは、理論的にも統計的にも非常に難しい」
ということが理由です。

以下、順を追って説明します。


■ 1. インデックスとは何か

インデックス(指数)とは、
市場全体の平均的な値動きを示す指標です。
たとえば:

  • アメリカ:S&P500、NASDAQ100

  • 日本:TOPIX、日経平均

つまりインデックス投資とは、

「市場全体をそのまま買う」
という戦略です。


■ 2. アクティブ運用(プロの投資)との違い

タイプ仕組み目標
インデックス運用市場平均(指数)をそのまま再現平均を取る
アクティブ運用銘柄を選び、売買で利益を狙う平均を上回る(αを出す)

■ 3. プロがインデックスに勝てない理由

(1) 市場の効率性(効率的市場仮説)

  • 株価はすでにすべての情報を織り込んでいる

  • 新しい情報が出ると瞬時に価格に反映される。

つまり、公開情報を使って有利に売買しても、
他の投資家も同じ情報を見ているため差が出にくい

→ 「市場はすでにほぼ正しい価格をつけている」という前提です。
(これを「効率的市場仮説」といいます)


(2) 手数料とコストの壁

アクティブ運用では、

  • ファンドマネージャーの報酬

  • 売買手数料

  • 運用会社の維持費

などが必要です。

一方インデックスファンドは、
「ただ市場平均を買うだけ」なので、コストが極めて低い

たとえば:

ファンドタイプ年間信託報酬(目安)
アクティブファンド約1.0〜2.0%
インデックスファンド約0.1〜0.2%

このコスト差が長期では非常に大きく効いてきます。
たとえアクティブ運用が一時的に勝っても、
手数料を引くとインデックスに劣るケースがほとんどです。


(3) 市場平均は“ゼロサム”+コストで“マイナスサム”になる

市場全体を見たとき、投資家全員のリターンの平均は「市場平均」です。
つまり:

ある投資家が市場平均を上回れば、
別の投資家はそれだけ市場平均を下回る。

さらに手数料などのコストが加わると
全体の平均は「市場平均 − コスト」になります。

→ 結果的に、多くのアクティブ運用が平均(インデックス)に勝てないのです。


(4) 短期的に勝つ人もいるが、長期的に継続できない

確かに、一時的にインデックスを上回るファンドも存在します。
しかし、それを10年・20年と続けられるプロは極めて少ない

米モーニングスター社などの調査では:

  • 10年単位でインデックスを上回ったアクティブファンドは 全体の約1〜2割

  • その「勝ったファンド」も次の10年では多くが平均以下に戻る

つまり、運では勝てても実力で勝ち続けるのはほぼ不可能ということです。


(5) 人間の心理的バイアス

プロであっても、人間である以上バイアスがあります。

  • トレンドを追いすぎる(群集心理)

  • 下落局面で売りすぎる(損失回避)

  • 過去の成功体験に固執する(過信バイアス)

これらは合理的な判断を妨げ、パフォーマンスを下げる要因です。


■ 4. 結果としての統計

  • SPIVA(S&P Dow Jones Indices社)によると:

    • 米国株アクティブファンドの約90%が10年でS&P500に敗北

    • 期間が長くなるほど、敗北率はさらに上がる


■ 5. 結論

要因内容
情報効率性すでに株価に情報が織り込まれている
コストアクティブは高コストで不利
構造的理由市場全体ではゼロサム→マイナスサム
継続の難しさ一時的に勝てても長期的には困難
心理的要因バイアスによる誤判断が起こる

→ 結果として、低コストで市場平均を取る「インデックス投資」が、
長期的にはほとんどのプロよりも高いリターンを残すのです。

 



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